NUKEMIRI DAYS

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AirPods Proをヘッドセットとして使用する


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 普段ゲームをするときやパソコンでのボイチャにゲーミングヘッドセットを使用しているのですが、圧迫感や重さなどから長時間の作業には向きません。大学の始業に当たってWindows10においてAirPods ProでWebexを受講できる環境を整えようとしたのですが色々手を焼いたので記しておきます。

 

 

WindowsでAirPods Proを使う

 Macを使用する場合は特に意識する必要はありませんが、Windowsでは少し準備が必要な場合があります。多くのラップトップには無線カードが備わっており、Wi-FiやBluetoothを使用する事ができると思います。一方で、デスクトップPCの場合は有線LANの使用を前提としている事が多いため、これらの機能が備わっていない可能性があります。

 デバイスマネージャーでWi-FiやBluetoothのアダプタが見当たらない場合は購入して取り付けましょう。最新の規格に対応したIntel AX200が比較的安価に買えるのでおすすめです。

マザーボードに対応するM.2ソケットがない場合はPCIe変換アダプタも購入しましょう。

 PCIe変換カードはアンテナがついていて、内部USB2.0ポートが備わったものを購入しましょう。USBと結線しなければBluetoothは使えません。

 基本的に勝手にドライバーがあたりますが、念のためIntelの製品ページから最新のドライバーをインストールしておきましょう。

downloadcenter.intel.com

 

ペアリングする

 非iOS機器用の手順でペアリングします。ケースを開けて裏のボタンを長押しし、点滅している状態でWindowsのBluetooth設定から機器を追加すればOKです。

Mac やその他の Bluetooth デバイスに AirPods を設定する - Apple サポート

 

 余談ですがMagicPodsというソフトがMiceosoft Storeで販売されています。有料ですが、バッテリー残量通知してくれたりするのでちょっとだけ幸せになれるかも?

www.microsoft.com

 基本的には以上で使えるようになるのですが、ヘッドセットとして使用する場合は少し複雑な事情が絡んできます。

 

オーディオ機能とヘッドセット機能は排他的

 マイク機能を有するBluetoothイヤホン・ヘッドフォン一般の話になるのですが、これらの機器はオーディオ用の「A2DP」ハンズフリー用の「HFP」という2種類のプロファイルを使い分けながら動作しています。プロファイルというのはBluetoothにおける通信プロトコルのようなもので、機器の種類ごとにそれぞれプロファイルが存在します。

 簡単にいうと、オーディオ機能のみなら音声を受信するのみですが、ヘッドセットは同じ帯域でマイク音声の送信もしなければならないのです。そのため、HFPはA2DPよりも音質が悪くなっているのです。

 これらの2つのプロファイルは基本的に1つの機器に対して同時に使うことはできません。普段使っていると気づかないかもしれませんが、音楽や動画を再生しているときはA2DPが使用され、通話やマイク機能を使用するときにはHFPに切り替えられているのです。通話中に音楽を再生してみると音質の劣化がよくわかると思います。ラジオのような低解像度な音になってしまいます。

 

HFPについて

 先ほど述べたように、HFPの音質の悪さは帯域を送受信で分割しなければならないことに起因します。Bluetoothイヤホンを使用している方ならAACやaptX、LDACと言った規格を耳にした事があると思います。これらはコーデックと呼ばれ、音声を決まったルールで圧縮してからA2DPで送信し、機器側でデコードする事で音質劣化の低減や低遅延を実現しています。A2DPでのみ用いられている規格であり、HFPには存在しません。おそらくですが、機器側に音声圧縮のためのリソースを持たせるのに限界があるからだと考えられます。

 そのためHFPでは音質が悪いだけでなく、機器に備わる低遅延機能の恩恵を受けられないということになります。AirPods ProはAACに準拠しており低遅延を実現していますが、通話中はHFPなので機能していません。

 しかしながらHFPでの音質も改善される動きはあります。HFP1.6というバージョンでA2DPの標準コーデックであるSBCをHFP用にアレンジしたmSBCに対応し、品質が向上したようです。と言っても8kHzが16kHzになった程度なので高音質には遠く及びませんが、今後HFP用に高音質コーデックが開発されることにも十分期待はもてます。明示的な記述は見つけられなかったのですがAirPods ProもおそらくHFP1.6には対応しているものと思われます。

 

WindowsでのA2DPとHFPの切り替え

 Windowsの話に戻します。iPhoneではA2DPとHFPが適宜自動で切り替えられていますが、Windowsではそうはいきません。タスクトレイのオーディオアイコンをクリックするとAirPods Proが2つ表示され、それぞれ"Stereo"と"Hands-Free"と添えられていると思います。前者がA2DP、後者がHFPとなります。WindowsでAirPods Proを使用した際に音質が悪いと感じたらこの部分で後者が選択されている可能性があります。

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WindowsでAirPods ProのHFPを無効化する

 現行のWindows10はHFP1.6もサポートしていますが、ここまでで述べたように、HFPは低音質高遅延なので普段マイクを使わないという方にとってはただ邪魔なだけです。間違ってヘッドセットの方が選択されても不快なだけなので無効化する手順を記しておきます。

スタートメニューから設定に進みます。

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「デバイス」に進みます。

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右側の関連設定から「デバイスとプリンター」に進みます。

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ここに接続中のAirPods Proが表示されているはずです。

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右クリック>プロパティを選択

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サービスタブ内の「ハンズフリーテレフォニー」のチェックボックスを外して適用。

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通話ソフトを開いていると音が鳴らなくなる事がある

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 AirPods Proを接続した際、Windows上では3つのデバイスに分けて認識されます。①A2DPのスピーカー②HFPのスピーカー③HFPのマイクの3つです。この様子はデバイスマネージャーから確認できると思います。ここまでで、①と②を切り替えたり、②と③を無効化する手順を紹介してきました。

 通話ソフトなどのマイクを使用するソフトを起動した際、マイクとして③が選択されると、AirPods Proへの通信はHFPになります。A2DPとHFPは排他的なのでこの時①は使えなくなってしまいます。簡潔に言うと、マイクを使用している間はA2DPが使えないのでStereoから音が出なくなります。もしStereoを選択しても音が出ないという症状になったら、マイクを使っているソフトで他のマイクを使用するように設定するか、ソフトを終了してください。Discordのような常駐ソフトが影響している可能性が高いです。

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AirPods Proでも高音質で通話がしたい

 ここまでで記してきたように、Bluetoothのイヤホンやヘッドセットで高品質なボイスチャットをすることは現行の製品では難しいです。通話の品質が低いだけでなく、操作しているソフトの音声の品質も低くなってしまいます。それでも作業が成立する用途ならばAirPods Proを使用するのはありだと思いますが、そうでないなら工夫が必要です。

 

1 外部マイクを使用

 A2DPで音を聞きつつ、マイクは有線のものを使用するという方法です。無線の恩恵は半減ですが、頭周りがすっきりするだけでもAirPods Proを使用する意味はあります。

 別途据置のマイクやピンマイクを購入してパソコンに接続することになります。HFPは使用しないので先の手順で無効化しておくといいでしょう。

 

  海外のフォーラムで見つけた情報なのですが、Jabra Link 370というアダプタを使用することで通話品質が向上するそうです。Jabra社のヘッドセットならともかく、AirPods Proでも使える理屈がわからないので飽くまで未確認情報として紹介させていただきます。

ニッチな製品ですし、日本での流通は限られているので実際のところどうなのかはわかりません。

www.jabra.jp

 

まとめ

 AirPods Proはアクティブノイズキャンセリングが非常に優秀で取り回しも良く、リモートワークやオンライン授業で使いたいという人も多いのではないでしょうか。今回はAirPods ProをWindowsで使用するという前提で話を進めてきましたが、他の環境でもA2SPやHFPに関する話は当てはまるものだと思います。

 この記事でわかるようにHFPはまだまだ課題の多い規格だと思います。今後のTWSの指針が少し見えてきたのではないでしょうか。AppleやSony、Jabraと言ったリーダーブランドが新たな企画を策定し、HFPが進化していくことも考えられます。ANCや低遅延、高音質、長時間駆動と言った機能性に比べてやや見劣りするセールスポイントではありますが、今後の発展に期待しましょう。

 

参考サイト

pret.yakan-hiko.com

www.sato-susumu.com

xtech.nikkei.com

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