今回は、360度動画から一定の画角を切り出す編集を紹介します。この編集にの呼び名はソフトによってマチマチなのですが、この記事ではキャプチャ編集とします。
キャプチャ編集を行う方法はいくつかあるのですが、今回は3種類のソフトを紹介します。
- 1.insta360 studio 2019(無料)
- 2.Premiere Pro GoPro Reframeプラグイン
- 3.PowerDirector(有料)
- 360Ninja
- AviUtl スカイドームスクリプト
- 番外編 星座早見表みたいにする
1.insta360 studio 2019(無料)
スティッチングでも使用したこのソフトですが、映像のキャプチャ編集機能がついています。insta360用のソフトですが、他のカメラで撮影したものでもメタデータが埋め込まれていれば問題なく編集できます。
- 動画を読み込み、上部のFreeCaptureタブを選んでください。
- 黄色のターゲットアイコンをクリックしてタイムラインキーフレームを追加します。
- 左下のパラメーターや再生ウィンドウをドラッグしてキーフレームの画角を調整します。
- 左上のFile>Exportよりビットレートを指定して書き出します。
2.Premiere Pro GoPro Reframeプラグイン
Premiere Pro自体にはこのような切り出し機能は備わっていないのですが、プラグインを導入することで使用できるようになります。
以下のリンクよりGoPro VR Pluginsをインストールしてください。
https://jp.gopro.com/help/articles/block/fusion-2-0-beta-update-for-your-gopro-fusion
AMD製など一部のGPUを使っている場合、インストール後にGPUアクセラレーションが使えなくなる可能性があります。その場合、"C:Program Files/Adobe/Adobe Premiere Pro CC 2019/OpenGL.dll"をリネームするか何処かに移動して再起動してみてください。
1.プロジェクトを作成し、360度動画を読み込みます。
2.タイムラインに360度動画をD&Dし、そこにエフェクトタブよりGoPro VR ReframeをD&Dしてください。
3.作成されたシーケンスを右クリックして、シーケンス設定より解像度を出力したい解像度に変更してください(1920×1080など)。また、VRプロパティをなしに設定します。
4.エフェクトコントロールよりパラメータをいじってキャプチャ編集を行います。視点の移動を付けたい場合は左側の時計マークを選択してキーフレームを追加してください。
5.ファイル>書き出し>メディアより書き出します・
insta360studioと違ってドラッグ操作で視野を設定できないのでやや使いにくいです。エンコード関連の自由度は高い点がinsta360studioより優れていると言えます。また、#5の段階からエンコードを挟まずにこの編集を行うことももちろん可能です。
3.PowerDirector(有料)
追加で契約・購入が必要になりますが、非常に直感的に操作できるソフトです。このソフトではキャプチャ編集のことをビューデザイナーとよります。
タイムライン上に360度動画をドロップすると360度動画として編集するか、ビューデザイン機能を使用するかという選択肢が現れます。キーフレームを追加する点は他と同じですが、insta360studio同様、ドラッグ操作ができる上、そのままいくつかの動画をくっつけることもできます。UIもPremiere Proに比べて易しく、直感的なので簡単に編集できます。
360Ninja
無料ソフトで360Ninjaというものがあります。こちらも直感的に扱えますが、180度以上の回転を設定できない、透かしを消せないという点からinsta360studioの方が優秀なのではと思います。一応紹介だけしておきます。
AviUtl スカイドームスクリプト
未検証ですが、スカイドームスクリプトというものでキャプチャ編集ができる気がします。
https://sp.nicovideo.jp/watch/sm19465675
番外編 星座早見表みたいにする
#5で星空を固定した後、北極星が真上にある状態のものを連番JPEGとして書き出します。これらの画像をCube2DMで読み込み、ドームマスターとして出力することで星座早見表のような映像に仕上げることができます。出力画角は日本の空の場合、270度ほどでちょうどいいです。